令和8年1月14日に沖縄県立宮古高等学校にて出前授業を実施
令和8年1月14日(水)、宮古高等学校において、1学年約220名を対象とした出前授業を実施しました。本授業は、体育館に生徒を集めた一斉授業形式で実施しており、本校では前年度にも出前授業を行っていますが、今年度は開催形式を見直し、クラス単位での実施から学年全体を対象とした形式へと変更しています。


出前授業に先立ち、校長先生へのご挨拶の機会をいただきました。その中では、「近年の学生は生成AIを使用すること自体には抵抗がない一方で、自分自身で考える前に生成AIを使ってしまう傾向があり、思考することの意義を十分に理解できているのだろうか」といった懸念が示されました。あわせて、大学生においても生成AIは実際に使用されているのか、また、使用している場合にその成果物が生成AIによるものかを見分けることは可能なのか、といった点についてもご質問がありました。

本出前授業の授業テーマ・講義タイトルは、「生成AIの仕組みと探究活動への活用そしてバイアス」とし、生成AIの普及や発展の状況、生成AIの仕組み、生成AIを利用する際のコツや注意点などを中心に構成しました。あわせて、アイデア出しのワークを取り入れることで、生成AIとの具体的な関わり方について考える機会を設けています。


当日は、スライドを投影しながら、生成AIの特徴や仕組み、利用にあたっての注意点について、岡﨑威生 教授(琉球大学 工学部)による解説が行われました。
グループワークでは、3~4人でグループを編成し、タブレットを使用しての実際のワークとしてアイデア出しに取り組みました。その過程において、「〜を教えてください」という聞き方よりも、「〜してください」と具体的に指示を出すほうが、より精度の高い回答が得られることや、生成AIは一度のやり取りで完結させるのではなく、対話を重ねながら回答を深めていく、いわゆる「かべうち」のような使い方が重要であることが示されました。
さらに、社会に潜むバイアス(偏見)についても取り上げ、生成AIが学習するそもそものデータにバイアスが内在していることや、事実とは異なる内容をもっともらしく出力する、いわゆるハルシネーションが生じ得ることについても説明がなされました。

授業後に実施したアンケートでは、「生成AIにもバイアスがあることを初めて知った」「AIは使い方次第で結果が大きく変わることが分かった」「生成AIに入力した内容が学習され、第三者に漏れる可能性があることを知らなかった」といった声が寄せられています。これらの回答からは、生成AIを利用する上でのリテラシーについて、生徒自身が新たな気づきを得る機会となった様子がうかがえます。
琉球大学はダイバーシティ推進校に指定されており、高大連携の取り組みの一環として、今年度作成した資料の中でも、生成AIの出力にはそもそもデータの偏りが内在していることや、ジェンダーバイアスを含むさまざまな問題が潜んでいることに触れています。これらを通じて、生成AIの出力結果をそのまま利用することの危険性を示唆するとともに、男女双方がデータサイエンス分野に取り組むことの重要性についても扱っています。
なお、今回は国際地域創造学部3年次の桃原 大吾さんにも同行いただき、授業運営の補助等にご協力いただきました。
琉球大学は、今後も地域社会や現地企業等と連携しながら、へき地・離島地域を含む地域における数理・データサイエンス・AI教育の普及と充実に、継続して取り組んでまいります。
【授業実施日および担当者】
令和8年1月14日(水)
14:40~15:30
対象:1学年全員
【講師】
岡﨑威生 教授(琉球大学 工学部)
【運営補助】
桃原 大吾(国際地域創造学部3年次)
