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「データサイエンス実践演習Ⅲ」でインターンシップ併用型PBL学習を実施

令和7年9月24日(水)から9月28日(日)までの5日間、実践的なPBL(Problem-Based Learning:課題解決型学習)科目として、「データサイエンス実践演習Ⅲ」を開講し、集中形式で授業を実施しました。本演習は国際地域創造学部を中心に開講された科目であり、学部横断型の取組として、国際地域創造学部の学生に加え、工学部の学生も参加しました。

本演習は、データサイエンスが情報通信分野に限らず、農業をはじめとする多様な分野において不可欠な手法であることを踏まえ、農業分野におけるデータサイエンスおよびAI活用をテーマとして構成しました。授業の実施にあたっては、IoTやICTを活用し、地域社会の課題解決と次世代技術者育成に取り組む企業『株式会社シー・シー・ダブル(CCW Co., Ltd.)』の協力を得ながら、実社会との接続を意識した実践的な学修内容としています。

また、異なる専門分野を学ぶ学生が混在するチーム編成とすることで、農業、データサイエンス、AI、ICTといった多様な視点を持ち寄り、分野横断的な観点から課題解決に取り組む学修環境を整えました。学生は、企業や地域社会の取組を題材としながら、現実の課題を自分事として捉え、データを用いた解決策を検討・提案するプロセスを通じて、実践的な学びを深めました。続いて、実際に圃場へセンサー機器を設置し、環境データを収集するとともに、収集したデータをどのように農業分野に利活用できるかについて、国内外の動向や事例を調査・学習しながら考察しました。

授業の前半では、気温や湿度といった身近な環境データを題材に、IoTセンサー機器の仕組みを理解した上で、センサーの組み立てやプログラミングを実習形式で実施。

続いて、実際に圃場へセンサー機器を設置し、環境データを収集するとともに、収集したデータをどのように農業分野に利活用できるかについて、国内外の動向や事例を調査・学習しながら考察しました。

後半では、高齢化等による就農人口の減少といった農業分野の課題を背景に、近年注目されているスマート農業や農業DX(デジタルトランスフォーメーション)をテーマとして、農作物の画像データをAIで分析する手法を学びました。画像データ分析の実習を通じて、AI技術の基礎的な考え方を理解した上で、農業分野におけるAI活用の企画・提案を行い、最終日には成果発表を実施しました。

本演習は、講義と実習を組み合わせた集中的なカリキュラム構成とし、IoT、データ分析、AIといった要素を段階的に学びながら、現実の課題に結び付けて考える力を養うことを目的としています。学部の専門性を越えた学生同士の協働を通じて、データサイエンスを実社会の課題解決に応用する視点を身に付ける機会となりました。

【参加学生からのコメント(フィードバック)】

本演習に参加した学生からは、授業内容の水準や学修経験の質の高さについて、前向きな感想が寄せられました。
ある学生は、「学校の通常の授業よりもハイレベルな内容を学ぶことができ、とても満足している」と述べており、短期集中型の実践的な授業を通じて、専門的な知識や技術に触れられた点を高く評価していました。また、企業の関係者と関わる機会が限られている中で、実際の現場を想定した学修に取り組めたことについて、「非常に貴重な経験だった」と振り返っています。

特に印象に残った内容としては、画像解析に関する演習を挙げる声も聞かれました。単に用意されたプログラムを実行するのではなく、データセットの構成を理解した上で、プログラミングを通して画像解析を行ったことにより、「仕組みをより深く理解することができた」との感想が寄せられています。さらに、その過程で複数の分析ツールや手法に触れたことが、今後の学修や研究に生かせる経験になったと感じた学生もいました。

また、本演習を通してデータサイエンスそのものへの関心が一層高まったという意見も見られました。「データサイエンス実践演習Ⅲを受講したことで、データを適切に活用することが社会課題の解決につながるということを実感した」との声があり、データを用いた課題解決の可能性を具体的にイメージできたことが、今後の学修意欲の向上につながった様子がうかがえます。学生からは、「これからの社会をより良いものにしていくために、データサイエンスの知識や技術をさらに身に付けていきたい」といった前向きなコメントも寄せられました。

【実施概要】

  • 科目名:データサイエンス実践演習Ⅲ
  • 開講形態:PBL(課題解決型学習)
  • 実施期間:2025年9月24日(水)~9月28日(日)[5日間]
  • 参加学部:国際地域創造学部、工学部
  • 主な内容
    • IoTセンサーの組み立て・プログラミング
    • 圃場における環境データ収集
    • 農業分野におけるデータ活用事例の調査・分析
    • 画像データを用いたAI分析
    • 農業DXに関する企画・提案および発表